MODEL GARAGE

キハ66・67「シーサイドライナー」仕様をつくる


車体のブルーにはブリリアントブルーを選択。ドアは原色の赤。赤はブルーの上からの塗装だから、鮮やかにするには少々工夫する

MicroAceから昨年発売されたキハ66・67には、2タイプがラインナップされ、一つはトーゼン、登場時の国鉄急行色。もう一つは民営化以後のJR九州近郊型電車・気動車の標準色となった白地に青帯。いずれも2両ユニット×2の4両セットとなっている。
で、この2つのバリエーションには、色の違い以上の大きな差がある。後者のJRバージョンでは機関換装後の姿となって、登場時から屋根上後部に載っていた大きな機関冷却装置が撤去され、その痕跡として屋根上に大きな段差が残り、まあ少々情けない風体となっているのも特徴。


国鉄急行色(左)、JR九州色(中央)の製品オリジナルと並ぶ。製品正面のスカートはKATOキハ65・40系に似て、余りにもチープだ

「シーサイドライナー仕様」工作のネタとなるのは当然、屋根上冷却装置撤去後となるJR塗色のほう。やはり、キハ66・67にこの一般気動車色というのは実に冴えないし、くっきり段差が生じた屋根も痛々しい感じだ。今は全車長崎地区で活躍する彼等だが、つい最近、全車の「シーサイドライナー」化を終えたと聞く。

JR塗色セットの車両で「シーサイドライナー仕様」と特に形態的に違うのは、側面のエンジン上部に通気用グリルがある事。これは登場時からあったもので、本来旧エンジン冷却のために開けられていたもの。だが筑豊時代の晩年には、エンジン換装後も残されていた車両があるらしいから、MicroAceのエラーとまでは言えないらしい。
とにかく、これをガリガリ削っていくが、すぐ上の窓サッシュの縁を傷めないよう注意。ワシの場合、セロハンテープを貼って保護した。ところが、この辺だけに気を取られてもいけない。不用意にどんどん削ってしまうと、腰のラインが折れているポイントを無視した平面が出来上がってしまう。元の塗装で言うと青帯の下端あたりでググッと腰ラインが折れているから、その辺を意識して作業することだ。

キハ67(ベース車)
キハ67(改造後)

キハ66(ベース車)
キハ66(改造後)

「通気グリル撤去」の作業では、ボディーから突出している部分を完全に削ると、僅かにスジ彫り状のグリル跡がボディー上に刻まれた状態になる。つまり、削る部分もあれば埋める部分もあるワケ。埋めるスジ彫り部は浅くて細いので、パテ類は効き難い(せっかく塗布しても全部落ち易い)。概ね削るものを削った時点で、瞬間接着剤をパテ代わりに塗布し、平滑に仕上げるのがお勧めだ。ちなみに、ワシも完璧な仕上げとまではいかなかった。
ボディーそのものの加工に完璧を期すならば、通気グリルだけでなく、乗務員扉と最初の客窓の間にあるタブレット避も削る事になる。ワシ的には好みもあって、これは残しておく事とした。


好みもあろうが生彩に欠くJR九州色よりも、こちらの仕様の方が力強さを感じる。

以上で車体関連の加工を終え、あとは塗装した後、ひたすらディカールを貼っていく。
まずは、元の塗装の青帯の縁を軽くペーパー(#600程度)で落とす。指で触れるとそれなりに凸凹を感じるほど厚いからで、済んだらタミヤのサーフェイサーを全体に吹付け。ボディ色のブリリアントブルーは下地の隠蔽度は高いものの、サーフェイサーの後の方が発色がいいし、通気グリルを削る工作跡の平滑の確認と、全体の平滑、ホコリの有無が確認し易いからだ。凹凸やホコリは、この時点でペーパーを当てて除去しておく。言うまでもなく、サーフェイサーは厚塗りしない方がいい。

で、ブリリアントブルーを吹く。屋根も同色なので、全方位に手を抜いてはいけない。続いて、ドアの赤。これは原色の赤をチョイスしたが、下地のブルーの上での発色を考えれば、いっそイタリアンレッドぐらいが良かったかも知れない。発色を保つコツは、マスキングしたら赤を吹く前に、ほんの一瞬だけサーフェイサーのグレーを吹く事だ。
塗装の最後に考えるのは、果たして屋根はこのままで良いのか?という事だ。実車の屋根も同色なのは事実だが、屋根材の上に塗られているのでかなりザラザラというか、ゴツゴツした塗装表面である。今さら出来る事といえば、せいぜいつや消しのトップコートを塗る程度。今回はそのままにしておいた。


外観の向上策として、フロントのTNカプラー化は絶対に行いたい。TOMIXの58系用(スカート付き)は、ご覧のように見た目上もジャストフ
ィットだが、製品として取り付け考慮されているのはこのタイプのTNではなく、取り付けはすんなりとは行かない。特に動力車のキハ66
(右)では、スカート部品だけを車体に接着し、そこへ床に取り付けた0337(指定されたタイプのTN)を差し込むという方法を取った。

さて、今回外観上のポイントとして、みっともないスカート周りをTOMIXのTNに替える事を一つの柱としている。たかだかTNに付け替えるのをなんで柱にせねばならないかというと、付けたいTNがすんなりとは付かないからだ。TOMIXの後期型キハ58系用のスカート付きTNカプラーは「JC63」というタイプ。当然、これが付くように設計されているかと思えばそうではない。密自連型TNの6個入りお徳用「0371」が付くようになっている。MICRO ACEがアホなので・・・と言いたいところだが、あくまでJC63は特定形式用の特殊仕様で、全国何処でも手に入るとは限らないのを配慮したという事だろう。

JC63を手に入れるか、58からおっぱずして来るかは別として、とにかく取り付けだ。製品床板についている取り付け用突起だと、要するにJC63は前後の位置が若干ズレて出っ張り過ぎるという事になる。ワシ的に考える事は「無理に床板側に取り付ける必要はナシ」という事だ。要は連結時に必要充分な強度を持って取り付けられれば良いのだから、基本的に今回はボディ側へ接着する事とした。接着剤はゴム系で充分である。
但し、T車では床板の前端部を許されるギリギリまでカットし、更にJC63も同様に後端部をギリギリまでカットして、ようやく収まる寸法だ。M車に至っては動力ユニット前端部が干渉し、かつカット不可能なので、JC63をそのまま接着するのではなく、分解してスカート部のみをボディー側に接着。動力ユニット前端部のTN取り付け突起は残し、JC63の中身ではなくて本来の指定品である0371を取り付ける。床板をボディーに嵌め込む際、ボディーに接着したスカートに0371を差し込むカタチで固定している。上の写真で右側がM車だが、こちらはスカートの外にホース類が出ていないのは、そういう事情からである。なお、運転台側でない方のTNには、全て0371を使用している。


以上の加工でぐっと精悍になったシーサイドライナー仕様。フロントのTN化については、ワシの所有する残りの66・67にも間もなく加工するつもりだ。

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