Model Impression

KATO  キハ82系   2005.11.26
四半世紀の進歩は目覚ましい!! が・・・

このような角度からだと、写真だけでは一見、同社のHO製品かと思うほど。

評 価
全般 ★★★★
ディテール ★★★★★
プロポーション ★★☆
塗装 ★★★★
構成 ★★★
走行性 ★★★★
コストパフォーマンス ★★★★

KATOの82系が完全リニューアルを果たした。四半世紀にも及ぶ旧製品のモデルライフと、その登場時の記憶を思い起こすと、流石に感慨深いものがある。


旧製品(左・線路のカントで若干傾いている)と、新製品(右)。こうして見ると進歩を実感すると共に、如何に旧製品がポイントを押さえていたかも再確認できる。

70年代中盤。EF65、C62、103系、キハ20系、20系客車など、KATOが未だ数えられるほどしか製品をラインナップしていなかった頃、画期的な製品としてキハ82系旧製品は登場した。未だTOMIXは「トミーナインスケール」の時代である。はめ込み式窓ガラスの本格採用、ライト類の実用化、新動力機構と新集電方式・・・こうした新しいことずくめの製品で、当時のNゲージ車両として走行性の良さも天下一品だったが、ファンのココロをワシ掴みにしたのはむしろ、実物のイメージを具現化したルックスの良さ=模型化センスの良さだったと思う。当時、実物の82系はまだまだ現役で、特に山陰や中部、北海道では特急列車の主役であった。
今回、ゼロから造り直された新製品は、その車体など、一足先に登場した同社のHO製品を、まるでそのまま小さくしたような印象もある。上の写真で比較するまでもなく、当時画期的と思われていた旧製品も隔世の感をもって眺めなければならないのは事実だ。KATOでは四半世紀前を記憶するファンへ向け「キハ82系から、また新しいNゲージが始まる」と謳っているが、果たしてどうだろうか。

各車種のプロフィール
キハ82

キロ80

キシ80

キハ80(M)

キハ80(T)

精密度に関しては、とにかく旧製品よりも細かいところまで表現され、あらゆるサッシュやHゴムにきちんと色が入る。手作業に頼らずここまで雰囲気を盛り上げているのは、中国などでの安い労働力を頼りとしたメーカーとは一線を画するものだろう。
走行性も非常に良好。KATOとしては機関車以外で初のフライホイール付き動力となっている点が大きい。これまた初採用の伸縮機構付き密自連カプラーも良い。

さて、上に並べたプロフィール写真で、どのような感想を持たれるだろう。今回、若干スケールよりもショーティーだった旧製品の車体長を改め、完全新規製作の新製品ではスケール通りの車体長となっている。それは上の写真からも伝わってくるが、逆にワシ的には車高が高めになっているのが気になる

適切でない車高と疑問ありのサスペンション構造

上から加重を掛けない状態。車高が高すぎる。           上から押さえるとこれだけ下がる。これが正しい車高では?

KATOは今回の82系発売に際して「5大新機構搭載」と謳い、それはDCC対応・小型モーター・フライホイール・サスペンション・密自連カプラーの採用を指している。ワシ的に、通常のファンに有難いのはフライホイールと密自連カプラーだけだと思えるが・・・
サスペンション構造については上の比較写真をご覧戴きたい。ここで問題なのは、要するに押さえる前と後、どちらが設計通り(実物通り)の車高かという事だ。ワシには沈み込んだ方が正しい高さとしか思えない。皆さんどう思われるだろうか。

もっとも、車高が高めなのはサスペンション構造そのもののせいではなく、車高に関する設計がおかしいわけだが、子供用のミニカーみたいな(押さえれば下がる・・・)サスペンション構造というのは本当に意義があるのだろうか。この構造だとあくまで平常時、柔らかいバネに車体が載っているのではなく、強めのバネで上方向に押さえつけられているわけで、ポイントやギャップの連続するレール上では、逆にバネによって車体の揺れが増幅されることもあり得ると思う。


このアングルまで視線を落としてみると、良く出来たモデルだけに車高が高めなことがとても残念に思える・・・

KATO キハ82系 2005年 8月 19日 発売

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KATO  キハ58系修学旅行色   2003.4.15


<評価>
全般          ★★★
ディテール       ★★★
プロポーション    ★★★☆
塗装          ★★★★
構成          ★★★
走行性         ★★★
コストパフォーマンス ★★☆

 最近再生産された通常の58系と同様、ヘッドライトスイッチ等を標準装備とした上で再生産されたキハ58系の修学旅行色。セット内容は6両のうち2両がキハ28、1両がキハ58の動力車。本来、色が違うだけではなく実物も修学旅行専用の仕様で800番台という区分をされているのだから、商品名としても単に「修学旅行色」というだけでなく「800番台」という名称を加えては如何なものだろうか。
 前回、この修学旅行色が生産されたのは太古の昔の事で、今回のような6両ものセットではなく、確か2両セットであったと記憶している。今回特別企画品との扱いで若干高い価格設定だが、価格的な面を考えても、こういう類の車両は前回のような2両セット程度が有難いように思える。「修学旅行列車」などとして800番台だけが徒党を組んで疾走するのを記憶しているのは、せいぜいワシの世代が最後にも思えるし、晩年は他の58系に混じって通常運用に供されたのだから、標準の58系など他の気動車と編成を組むシーンを再現したいだけのヒトには、2両セットで十分なのだ。

好感の持てる色合い。標準車同様、今回から床下機器がグレーに整形されている。

 修学旅行色のイエローは総武緩行線と同じ色だと記憶している。今回「おでんの洋ガラシ」的な、なかなか好感の持てる明確なカラーリングである。前回生産時と外観的に違うのは床下機器が正規のグレーとなっている事で、これも好感ポイント。KATOの場合、かつて生産された非冷房標準車もそうだが、トイレ側妻面に配電盤のない正規の非冷房車の形態を取っている。取り立てて精密でも何でもない表現だが、TOMIX製品がキハ57非冷房車などでも冷房車の妻板が流用され、配電盤がモールドされてしまっているから、意外にこれはポイントが高いんである。
 ハイグレードな定番商品として地位を確立したTOMIX製品と比べ、遥かにディテールはあっさりしているがプロポーションその他基本的な部分はしっかり押さえられているKATO製58系も、そのローコスト面を含めて魅力は衰えていないと思う (このセット自体は少々高めだが…)。


雨どいに朱色が入った登場時の美しさ(左)・妻面は正規の非冷房仕様で配電盤が無い(右)

 また、雨どいには正しい登場時のカラーとして朱色が美しく入れられており、これは確か前回生産時には再現されていなかった美点である。先般の475系の裾帯同様、歓迎すべき回顧主義だ。




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