はいぱ〜コラムbyワシ

旧正田邸の動きに関するワシの読み



 皇后さまのご意向が発表されるや、移築保存への動きが全て振り出しに戻るという動き・・・どう考えても、途中で論点がズレていないだろうか?宮内庁発表のコメントを素直に受取る限り、皇后さまは旧正田邸について「残してほしいとのお気持ちはない」点は事実としても、極的に建物を壊して欲しい(残して欲しくない)お気持ちとは思えない。要するに、「貴重な国民(住民)の税金を使って、当然のように残していただきたいとは思っていません」という表現が最もお気持ちに近いのではないかと思う。

 池田山や正田邸が、皇后さまにとって忌まわしい暗い思い出のある地であったり、建物であったりとは、とても考えられない限り、発表されたコメントはご自身の「実家が特別扱いされたくない」というお考え、あるいはご謙遜から発せられただけではないのか・・・

現在も多くの人が訪れている旧正田邸前   P=2002.11.24追加

 だから本来、ここから先は地域住民・国民・行政の意志に問われた問題であり、国民の心に残る貴重な昭和史の遺産だとすれば、お金をかけて保存すれば良いはず。コメントが発せられるや、早々に軽井沢町や館林市が保存構想を撤回した理由は全く判らない。保存や移築に関する動きは、そもそも皇室の意向を汲んでではなく、国民あるいは住民としての動きではなかったのか?保存へ皇后さまご自身の積極的期待がなければ、その価値を成さないかのような撤回の仕方だと思う。

 どんなに立派で大きな建物でも、残せる地域文化など、普通はたかが知れたものである。田邸は個人による小さな建物だが、その建築的個性や大きなエピソードによって、国民や地域の人々と共に残してきた思い出、記憶は計り知れない。これを地域文化と言わずなんと言おう。だから、「例え皇后さまはご謙遜されても、旧正田邸は、私たちにとっての皇后さまの記憶と共に、捨て去ることの出来ない思い出の建物です」というのが住民の気持ちならば、それはどんな角度から見ても間違った主張ではない。

 最後に、報道の問題。宮内庁のコメント以後、マスコミ自体の論調もあやふやで明確ではなくなった。「署名運動を展開してきた地元住民たちは困惑した」と、きちんと伝えているメディア自体少ない。また新聞によっては 「度重なる改築で文化的価値もなく・・・」と、とたんに保存の必要性に否定的な論調すら現れた。現在、跡地買い取りの意向を表明した品川区が「ふさわしい公園を造れば区民の方も納得して下さるはず」と話しているので、そういう事に落ち着きそうだ・・・と、ほとんど決めてかかった報道をするメディアが多い。メディアのアイデンティティーとは、その程度のものなのだろうか?発表されたコメントの本質を見極め、きちんと報道し論評して欲しいものである。



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