Model Impression

KATO(ラウンドハウス)  485系「きりしま・ひゅうが」タイプ   2003.10.25
雰囲気は十分の「タイプ」

モハ484の屋根上を除いては既存の型を使い、塗装とレタリングで雰囲気を出している

<評価>
全般          ★★★
ディテール       ★★★☆
プロポーション    ★
塗装          ★★★
構成          ★★★
走行性         ★★★
コストパフォーマンス ★★★

 ホビーセンターカトーのオリジナル「ラウンドハウス」ブランドの商品として登場した、KATOの485系としては初のJR九州バージョン。コーポレートカラーの赤を基調にカラフルな色に身を包むJR九州の485系一族は、これまで専らTOMIXが発売してきた。それ以外にもJR化以後の各地のカラフルな485系バリエーションを、一部の特殊な車両も含め製品化しているTOMIXに対して、これまでKATOは485系の亜種を製品化せず「我関せず」という感じであった。そうした意味では、なかなか注目される商品だ。
 実車はもともと、長崎・佐世保線で特急「ハウステンボス」に使われてきた車両を、同列車の783系置き換え以後に日豊線の「きりしま」「ひゅうが」に転用したもの。もとの4連からサハ481を抜いた3連に変更されている。カラフルな塗色は基本的に「ハウステンボス」時代のものを活かしつつ、サハを抜かれた事から、カラーの組み合わせを変える形で一部塗装変更されている。もちろん、列車名に合わせてレタリングも変えられた。

モハ484屋根上
屋根板は九州地区の片パンタ撤去仕様とした専用のものでKATOの485系としては初めて。パンタも最近の
仕様。ちなみに「ハウステンボス」の4連時代には、黄色はサハ481に塗られていた。

 さて、485系の3連という事は、Tc+M+Mcという編成・・・つまり本来クモハがなくては成立しない編成という事である。皆さんよくご存知の通り、KATOの485系は国鉄時代の純粋形式しかなく、残念ながらクモハはない。今回「タイプ」と称している理由はここで、片側の先頭車は「クモハ485」とナンバリングされてはいるが、実際にはクハ481のまま(台車だけはDT32に変更)。現地のクモハ485-100番台に塗装とレタリングのみ合わせ、雰囲気だけでも楽しんでもらおう・・・という商品。しかし中間のモハ484の屋根上など、それなりにディテールにはこだわりを見せており、クモハの件を特に気にしなければ満足度は高い仕上がりである。
 「タイプ」と称しての発売でもあるし、予め告知ポスター等でも以上の事は説明されていたのだが、今回肝心の商品パッケージでは「クモハに関して実際の車両とは一部異なる」等といった表示はされておらず、少々疑問。商品名に「タイプ」と銘打っているだけでは、その意味が誰でも理解されるとは思えないから、パッケージにそれなりの説明は付いている方が良い。

<各車のサイドビュー>
クハ481-226
モハ484-337
クモハ485-103
派手な塗装とレタリングが特徴の企画商品。特にレタリングは非常に繊細。各色の塗り分け境界には、
本来細い黒ラインが入るが、これが省略されているのは少々惜しい。


クハ481の車体を流用しているクモハ485-100番台。実車はモハ485からの先頭車化改造車で、実際は定員確保のため便所と
洗面所がなく、客用扉が車端部にあり、更に側面表示幕がその内側の客窓の上にある・・・という変わった側面を持つ。

 車体本体に関する限り、基本的に元の金型をいじったりはしていないから、クハ・クモハの前面では特急マーク上部の左右にある飾り帯(JR九州ではリニューアル時に撤去)モールドが付いたまま、その凸部の上に「KIRISHIMA&HYUGA」というレタリングがなされている。
クハ481前面
              上部飾り帯モールド部分に「KIRISHIMA&HYUGA」という
                 レタリングがなされている。ライト周りのくっきりした銀色
                 は、なかなか好印象。

 こうした例を挙げるまでもなく、「ラウンドハウス」ブランドの商品は、大量流通までは前提とせず、あくまで新規金型を作ったりは極力避けて色替えやパーツ追加等でのバリエーションを狙ったものと理解しているので、こうした内容で納得すべきだとは思う。とはいえ、RED系の485では併結の問題もクリアした強みを持つTOMIX製品に、未だクモハが一切ラインナップされていない点は、せっかくだから攻めても良かった・・・つまり、この機会に正規のクモハを実現すれば相当に意味があったとは思う。ちなみに、JR九州に存在するクモハ485-0番台・100番台とも、ガレージメーカーで製品化されているのみで、TOMIXの485系としても意外に大きな穴である。
 そのクモハ485-100番台だが、台車だけは流石にDT32が付いている。床板はクハのままだが、せめてモハ485の床下と先頭スカート部分をアレンジしたものが用意されれば、雰囲気は相当良かったはず。クモハ以外、モデル的に大きな不満は少ない(根源的なプロポーションの問題は棚上げとして・・・)が、強いて挙げれば、カラフルな塗色の境界線(黒)が省略されている事は残念だ。



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KATO  183系0番台特急電車   2003.9.22

房総のヌシ、ようやくNの世界へ
KATO製183系0番台
前面貫通扉のある183系0番台クハがようやく製品化。登場時は写真のようにサロが上り方2両目に連結されていた。

<評価>
全般          ★★★☆
ディテール       ★★★☆
プロポーション    ★★★★
塗装          ★★☆
構成          ★★★
走行性         ★★★
コストパフォーマンス ★★★★

 183系は昭和47年、総武快速線の東京駅地下乗り入れ時に登場した房総特急「わかしお」「さざなみ」でデビュー。直流専用の特急電車として181系に続く系列だと考えれば、その登場は以外に遅かった。以来、181系の衰退と共にこのグループは置換え用として勢力を伸ばし、先頭車が非貫通となった1000番台や横軽協調対応の189系などが誕生した。上越・長野の新幹線が開通し、中央線に新型の257系特急車が登場した現在、今度は彼等の淘汰も進み、発祥の地である房総地区を中心に活躍するのみとなってきている。昨今は窓を拡大したグレードアップ車も国鉄色となって活躍しており、編成のバラエティーもなかなか楽しくなってきた。

首都圏ではお馴染みの顔。ヘッドサインはあずさ、さざなみ、わかし
お、しおさいを選べる回転式。スカートも上り・下り方で作り分け。

 さて、KATOでは既に183・189系を各種発売してきたが、いずれも先頭車は非貫通タイプだった。前面に貫通扉のある0番台は今回発売が初めて。全国的に親しまれる交直両用の485系では200番台先頭車に見られる形態で、首都圏のファンには馴染み深い、元祖183系の顔と言えるだろう。

 KATO製品としての国鉄特急電車には、他に181系と485系という代表格がある。そうした中で、声を大にして言っておきたいKATO製183・189系の美点がある。プロポーションが良いことだ。181系・485系共にオーバーハング過大、台車中心間過小。しかも485系に至っては車高まで高すぎ、先頭車のフロントオーバーハング部に至ってはバケモノのようだ。それに対し、183・189系は全て適正な寸法。181系・485系と比べ、他の製品の影響を受けずゼロから設計されている事が大きい。国鉄特急電車好きで未だお持ちでない方には、ほぼ文句なくコレクションをお勧めしておきたい。

クハ183-0番台。これまでの非貫通車同様、オーバーハングや台車中心間、車高などプロポーションは万全


これまでも破綻が見られなかった動力車のサイドビュー。通勤車のE231系とは異なり、ギヤ比見直しはされていない

 さて、今回もKATOらしいソツない仕上がりなのだが、塗装に関してはほんの少しホコリが混入していた車両があった。KATOらしからぬレアケースかも知れないが、購入時には動力車チェックだけでなく、全車の塗装をざっとで良いから見渡しておくようお勧めしたい
 動力ユニットについては旧来と同じタイプ。残念ながらE231系に導入された歯数比見直しバージョンではないが、これは既に同系を持ち合わせているユーザーに配慮したものかも知れない。

* * *
 既に多くの既発売品ユーザーがいるはずのKATO製183系。この製品発売で、0番台を含む現在の編成ラインナップをいろいろ実現してみるのも面白い。手持ちの同社製品を加工して、特に中間車や先頭車だけ、窓の大きい国鉄色グレードアップ車にしてみたりする…などというのはなかなか楽しい。


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KATO  国鉄157系お召し電車   2003.5.14

賞賛すべき改善が施された !

<評価>
全般          ★★★★
ディテール       ★★★☆
プロポーション    ★★★★☆
塗装          ★★★
構成          ★★★
走行性         ★★★☆
コストパフォーマンス ★★★★

 KATOから既に発売されていた国鉄157系に、お召し電車クロ157を組込んだ往年のお召し編成5両セットがラインナップされた。晴れてKATOから登場したクロ157もさることながら、今回はクモハにもにも新たな改良が施された点で、意義のあるセットとなった。

●クモハ157のプロポーションに着目したKATO
 既に発売されていた「あまぎ」7両セットのクモハと、今回セットのクモハの先頭部を対比してみよう。
@ A
@既発売の「あまぎ」セットのクモハと、A今回発売セットのクモハ

 このように両者には、ビックリするほど見かけ上の差がある。157系の先頭車にはクモハ157しか存在しないが、この形式が、前回「あまぎ」セットで登場時には全て運転台側に伸縮タイプカプラーが装備されていた。その結果が写真@で、大きなカプラーポケットを避けるために台車がかなりオフセットされてしまっていたのだ。妙に落ち着いた感じも受けるが、現実の157系は急行型に近い設計で、こちらのオーバーハングはほぼ中間車と同様なのが正しい。

 ブレーキテコが張り出したDT23台車をある程度回転させるには、それなりのオフセットが必要だったワケだが、そうしたギミックをプロポーションよりも優先させる必然性は果たしてあるのか、ワシも大いに疑問を感じていた。しかも、実際に連結を必要とするのは編成の中間に入る限られた場合だけである。

B「あまぎ」セットのクモハ157

C今回改善されたクモハ157

 そこで今回KATOは、「お召し電車」編成としてクモハ先頭部は連結の必要が生じないと解釈し、伸縮カプラーを装備せず、台車を正規の位置に戻すと共に、スカートも開口部が小さく実物通りのものを新規に用意した。この結果が写真Aというワケである。
 これはまさに、待望のクモハ実物そのものの印象で、歓迎されるべき事としてワシは大いに賞賛したい。全体のプロポーションで見ても、写真B→Cの通り改善の効果は一目瞭然である。


●注目のクロ157は・・・

クモハ157ではプロポーションに影響した伸縮カプラーだが、クロでは台車が違う事もあり、台車オフセットは若干に押さえられた。

 クロ157は皇室向けのインテリアも適度に表現され、また屋根上のベンチレーターなど一部機器がユーザー取付けながら色分けされていて楽しい。中間に連結されるため、先頭部に伸縮カプラーを使わざるを得ないこの車両だが、問題のプロポーションはさほど乱れてはいない。これは前後に張り出しの少ないTR59台車のおかげかも知れない。
 スカートは「あまぎ」セットのクモハと同じパーツで、実車よりも大幅に切り欠かれているのが気になる。実車の電気連結器のようなサブフックを下部に有するKATOの伸縮カプラーは、収納しようとするとどうしてもこうなってしまう。

クロとモハの連結部


クロ157(左)、今回セットのクモハ157(中央)、「あまぎ」セットのクモハ157(右)

 今回の製品は、ワシ的にはクロも必須のコレクターズアイテムだと思うが、今も根強い157系ファンにとっては、クモハの改善の方がビッグなニュースではなかろうか。ここ数年、80系電車やJR東海313系などで、KATOが何のためらいもなく先頭台車をオフセットしてしまう事に、実は抵抗感を持っていたコアなファンは多かった。それを考えると、今後はKATOも電車のプロポーションを真剣に考える可能性が見えてきたという事で、コレは画期的な出来事だ! 新しい仕様のクモハ床板パーツ発売が注目されるのでは?





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