Model Impression

MICROACE 103系1500番台 登場時  2007.7.16
シャープに仕上がった異色の103系

いわゆる105系顔と201系のような車体を組み合わせた103系1500番台。登場時という事で正面にJNRマークが付く。

評 価
全般 ★★★★
ディテール ★★★☆
プロポーション ★★★★☆
塗装 ★★★★
構成 ★★★☆
走行性 ★★★☆
コストパフォーマンス ★★★

昭和58年の電化で、筑肥線は九州の国鉄で唯一の直流電化区間となり、福岡市営地下鉄と相互乗り入
れする事となった。この時、福岡市交通局はサイリスタチョッパ制御でデザイン性も高いステンレス車1000
系を用意。自動運転用のATOも装備していた。対する国鉄が用意したのが、新車としては実質的に最後
の103系となるこの1500番台である。当時、ワシは福岡市内の大学に通う学生で、デラックスな福岡市の
1000系に対して、抵抗制御、コイルバネ台車という大きく見劣りするこの103系に落胆したものだ。ほぼ同
時に201系のメカニズムを踏襲した地下鉄千代田線乗入れ用の203系が登場しており、こうしてあからさま
に地方向けの車両が差別されるとは少々驚いた。もっとも、当時の筑肥線西部の閑散区間を考えれば、
抵抗制御である事には多少頷けはしたが。


クハ103-1500。戸袋窓の無い201系のような車体にコイルバネ台車の組合わせ。JR西日本の車体更新車のよう。


モハ103-1500。製品としては全般に車高の上下も無く、プロポーションも良好。


モハ102-1500。写真は動力車だが、もちろんプロポーションの破綻はない。

このグループは、後に4編成が閑散時運転用として3連+3連(TcMM'c+McM'Tc)となる改造を受け、編成中
央のモハ103とモハ102の中央側に運転台が取り付けられた。製品は今回、ここにお見せする登場時のも
のと、JR化後の姿で派手な新塗装となった3+3改造バージョンが同時に発売されている。
製品の出来としては、MICRO ACEの103系シリーズもようやく安定を見せた感じで、先頭車フロントの車高
アップ現象などもなく、全体のプロポーションも良好。塗装の色選択も良く、また美しく塗り分けられている。

先頭車屋根上の表情
福岡市営地下鉄乗り入れ対策の各種アンテナが雰囲気を盛り上げている。

車体は例によってレタリングも細かく、号車番号札なども印刷済み。ワシ的にいつも思う事だが、やはり、
箱から出して何もせずいきなりインプレの撮影などが出来るのはMICRO ACE製品だけで、これは基本的
に有り難い。



屋根上は全体には悪くないが、細かい配管モールドに色が入っていたりいなかったりなど、ちょっと散漫。
ベンチレーターやヒューズボックスなどは無塗装でランナー跡も散見されるなど、惜しい部分もある。

MICRO ACE A2450 103系1500番台 国鉄色 登場時 6両セット 2007.7.13発売

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MICROACE JR九州811系0番台・100番台  2003.12.23

素晴らしい出来栄え!! ディテール、プロポーション共に良好
<実車の話> <製品概要> <車種構成> <試作する意味>
MICRO ACE 811系
北部九州都市圏の快速用として活躍する811系。JR九州初期のクールなデザインの車両だ

評 価
全般 ★★★★☆
ディテール ★★★★
プロポーション ★★★★★
塗装 ★★★★☆
構成 ★★★★
走行性 ★★★☆
コストパフォーマンス ★★★★

<実車の話>
 JR九州811系は、快速列車の速度向上・質的向上を目的に平成元年に登場したもので、JR東海311系
やJR西日本221系と同カテゴリー・同世代の電車。これにより、快速ダイヤの最高120km/h化や421・
423系の置き換えが進んだが、平成5年には早くも813系が登場して増備もそこまでとなった。いわゆる水
戸岡デザインの車両となった813系以後の電車とは違い、JR九州らしいインパクトには欠ける存在。しかし
登場時は、九州地区としてキハ66・67以来の転換クロスシート本格採用だけでなく、そのデザインや性能
共に、九州の次世代を担う画期的な車両として大いに注目を浴びた。特に、水戸岡デザインの車よりも
「工業デザイン」に徹したクリーンな外観は好感が持てる。
特徴ある前頭部
左の先頭車はTNカプラーに取り替えてみた。品番は0332(グレーの電連付き密連)。スカー
トはこのTNの胴受部を収める前提で実車よりも大きく切り欠かれているが、取り替えた場合
はさほど気にならない。ボディーは一体で、白い部分はパーツを分けていない。

実車のスカート 実際の切り欠きはこの程度

 このブルーとレッドを組み合わせた帯は、「快速」の種別を意識して、登場時の普通列車用カラーの青帯
と特急用783系ハイパーサルーンの赤帯を組み合わせ、その中間であるという意味が持たされているそう
だ。ちなみに、前頭部の白い部分はFRPなどではなく鋼鉄製。
 311系や221系は、更なる次世代の登場で存在が薄れた感があるが、九州では813系以降も圧倒的な数
の増備車がない事と、新快速的な種別がなくヒーロー的な専用系列というものが生まれていないために、
811系は現在でも主役の一員。基本的な用途や運用範囲は変わっていない。

前頭部も車高は適正
TNカプラーに替えてみた前頭部。適正な車高によって実に実感的

<製品概要>
 ステンレス製ボディーの再現はもはや手馴れたもの。確かにシルバー塗装の粒子感などでは好みは分
かれるだろうが、今回も部分ごとの表面仕上げの違いはトーンを変えて表現され、ドア周りの枠などはメッ
キ処理でくっきりと際立たせている。唯一惜しいのは、客窓周りの枠が何故か車体側で省略されてい
て、窓ガラスで枠を表現させている事。どうしてこういう表現にしたのか釈然としないが、せっかく窓ガラ
スに付いた枠はほとんど目立たないので、効果はゼロだ。
車体側の窓枠表現は省略
車体にあるはずの客窓周りの枠部がなく、何故か窓ガラス縁部に枠状モールドが・・・

 先頭車のライトユニットは、これまでの床板との干渉を見越してか床板側に固定。今回、フロント部のリフ
ト現象がゼロなのは、この改善による所が決定的だ。ただし、着脱時を考慮してか、必然的にヘッド/テー
ルライトのレンズが前頭部分に差し込まれず、裏から照らすだけのスタイル。さほ違和感はないが、レンズ
はレンズとして別のパーツが入っていて欲しい。
 下回りは、特に車体と台車の隙間が小さく、低くて実感的な車高を実現した。動力車の感触も含め走行
は良好。ボルスタアンカが車体に干渉しそうに見えるが、実際には全く支障しない程度のクリアランスがあ
る。ここでも唯一イチャモンを付ければ、動力車との連結面だけ若干広がっているのは見苦しい。TN
に替えてしまえば同じだが。

若干広い動力車前後の連結面(左)と、狭いトレーラー間(右)

<車種構成>※0番台と100番台の外観的な差はサハ以外に無いので、サハの他は0番台のみ紹介
クモハ811
▲M'c+M+T+Tcという編成で、クモハはパンタ付き。今回、フロント部の車高もリフト状態は見られない。
モハ811
▲動力車だが、当然、プロポーションも破綻なし。動力車にも今回、車内にシートバックが表現されている。
サハ811
▲こちらは0番台のサハでトイレはナシ。こうして見ると、窓枠の表現だけが惜しい。
クハ810
▲0番台の編成では、トイレはこの車両のみ。2セット4両の先頭車でフロント部車高の異常はほぼ見られなかった。
サハ811
▲こちらは200番台のサハ。100番台の編成に入り、トイレが追加されたタイプ。

* * *
<試作する意味>
 一足先に423系冷改車が発売され、奇しくも九州ネタが連続したが、酷評せざるを得なかった423系と較
べれば、こちらは流石に根本的に全体が新設計という事もあり、ワシがいちばん気になるプロポーション
の乱れが全くと言っていいほど無く、一言でいえば素晴らしいモデルだ。やはりかなり以前からテストショッ
トが発表されていたので、それだけ試作を重ねたのではないかと思える。
 パーツ同士の干渉で車高が乱れてしまう現象などで、ワシが同社製品に何度も苦言を呈している
「実際の生産現場での摺り合わせ不足」は、本来、試作が充分になされていれば回避できるものだ
と思うのである。




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MICROACE 423系九州色冷房改造車  2003.12.21

またか・・・としか言いようのない車高の乱れ
<製品概要> <車種構成> <車高問題以外は及第点> <相変わらずの先頭部車高>

確かに、423系も晩年の限られた時期しか見られなかった仕様だけに、製品化自体が貴重ではあるが・・・

評 価
全般 ★★☆
ディテール ★★★☆
プロポーション ★★☆
塗装 ★★★
構成 ★★
走行性 ★★★
コストパフォーマンス ★★☆

<製品概要>
 常磐のクリームよりも更に白っぽい九州カラー。ワシはもともと九州のヒトなんであるが、このJR九州色
は老朽車にはいかにも厚化粧という感じだったのを覚えていて、無理やり冷房改造された晩年の423系
には、いかにもお似合いというか何と言うか・・・複雑な気分で眺めていたもんである。
 そもそも、これら近郊型でフツーの冷房改造とは、例のAU75とかいう屋根中央にドカンと載る集中型を
載せるのが、国鉄自体の正規の改造だった。九州にも、数は少ないが423系のごく一部に施されていた
が、なにぶん遅々として進んでいなかったものだ。

床置型クーラー車(左)と分散型クーラー車(右)。右側の先頭車のみ、ワシの手でフロントリフト状態を修正してみた。

 それがJRとなって一変、お客を呼ぶにはとにかく冷房化をという姿勢になったのは良いものの、重い
AU75を使う正規の改造は屋根補強を含めコストがかかり過ぎる。このモデルは、そうした状況の中で試行
錯誤をしつつ冷房化が進められた423系の晩年を表現したもので、現在のJR東日本などで見られる安定
したインバータクーラー改造が定着する以前、各地で見られたバラエティー豊かな冷改車の一例だ。今回
のモデルは、当時見られた2種類の冷改車を4連1本ずつ、8連のセットとしたもの。直前に製品化された
陽路の115系2ドア車の売り方と較べ、これなら納得できる8両セットだ。

屋根上機器の違う2編成
床置型(奥)と分散型(手前)の冷改車の屋根上。床置型のデカいグロベンは「ドカベン」
などと呼んだものだ。

 仕上がりの方は、例によって塗装は素晴らしく、工作などの手際もまずまずなものの、ひとことで言え
ば、またまた同社にありがちな症状となってしまった。即ち、同社の近郊型としては素晴らしかった前作
115系と較べ、またしても今回は先頭車フロント側車高が著しく持ち上がり、そのままでは編成全体
の車高が全く一定でない。

<車種構成> ※例によって車高の状態も見てみよう
クハ421-46
▲このカットでは判り難いが、明らかにフロント側が持ち上がっている
モハ422-3
▲今回も、中間車の車高は全て適正。パンタ周りの表現に不満はない
モハ423-3
▲それにしても、冷房車とは思えない屋根上だ。こちらのモハ423はトレーラー車
クハ421-45
▲誰か、なんとかせぇ〜!・・・と、叫びたくなるフロント側リフト状態。TNには交換したが・・・
クハ421-92
▲この1両のクハだけは、ワシの手によりフロント側車高を適正に修正した。やっぱ違うでしょ?
モハ422-23
▲分散型の冷改車では、パンタ手前にクーラーが3連チャンで並ぶ
モハ423-23
▲こちらのモハ423は動力車だが、車高などプロポーションに破綻は全くない
クハ421-91
▲おいおい、頼むぜホントに・・・と言いたくなるフロント側リフト状態。こんなにひと目で判るとは!

<車高問題以外は及第点>
 この仕様の423系では、実物に基づき、屋根のグレー塗装が先頭車でオデコのずいぶん前までかかって
来ているためイマイチ実感できないが、実は、前頭部の形状自体はかなり良いようである。その他の車
体各部のモールドやガラスのモールド、サッシュの形状も悪くない。先に述べたように、塗装は丁寧なだけ
でなく色の選定も適切。屋根上のグレーも地色と機器類でトーン差を意識した色選定で、なかなか良いも
のだ。分散型冷改車のクハでは、実際には塞がれてしまった窓が一つ、機器室のヨロイド同様に窓ガラス
を塗装して嵌め込む事で表現されているが、この程度は模型化上の合理化として、ワシ的には許容できる
と思う。
本来は窓が塞がれた部分 窓ガラスを塗装して表現

 ここまで良いところが羅列されるにも関わらず、屋根上パーツの取付けが一部乱雑なのは惜しい。ワシ
が手にしたものでは、分散クーラーの一部がまっすぐでなく、少し曲がって付いたりしている。しかも、これ
がまた強力に接着されているものだから、簡単にはユーザーが修正出来ない。購入時には走行・ライト
類のテストだけでなく、屋根上機器の取付け状況もざっと見ておくのが良い。

<相変わらずの先頭部車高>
 車高の乱れについては、良い言い方をすれば、今回も先頭車フロント側のみ異常に高い症状で、他
の車は117系や115系2ドア車同様、動力車も含めて適正に落ち着いている。同社の旧国鉄の近郊型・急
行型のラインでいうと、車高に関して最後に残った問題という事か。それにしても、ライトケースや窓ガラス
下部との干渉という原因は解っているのに、何故これほど手間取って、未解決なまま新製品を出してくる
のだろうか?

 要するに、ボディーに床板がはまって、上下の位置決めを何処でするのか?という設計上の問題を決め
る時、位置決め専用のツメだけで考えれば良いものを、下手にライトケースやガラスがピタリと接す
るような設計をするから、話がややこしくなっているのである。つまり、現実に組み立ててみると、実際
のライトケースは組立て上、設計よりもコンマ数ミリ下端が下がるなんて、よくある事なのだ。これが床板を
押してしまう。クリアランスを全く取っていないから、そういう事が起こる。

 はめ込まれたパーツ同士できちっと位置が決まっていく事での合理化は、充分な組立て精度が確保でき
てからやるべきで、それまでは部品間の位置決めは位置決めとして、単独に考えるべきなのだ。そうした
設計上の考慮がないとしたら、中国などで生産している事を不利な理由には出来ない。設計上、クリアで
きる手段はいくらでもあるはずだ。


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MICROACE 115系3000番台(広島快速色)・3500番台(瀬戸内色)  2003.11.17

同社の国鉄(鋼製)近郊型としては最良の出来!
<製品概要> <問題は残すが、設計上の進歩が見られる車高問題> <車種構成> <TN組込みと先頭車の連結>
<なんで8両セットなの?>

山陽ローカル快速にしか見られない2ドア版115系。それぞれ4連+4連で8両というセットは高価すぎるのだが・・・

評 価
全般 ★★★☆
ディテール ★★★☆
プロポーション ★★★☆
塗装 ★★★★
構成 ★★☆
走行性 ★★★
コストパフォーマンス ★★☆

<製品概要>
 そもそも山陽本線西部に115系が運用されているのは有名な峠「セノハチ」があるからだが、それにして
もTcMM'Tcという4連はなんだか113系みたいで「クモハがあってこそ115系!」と思っているワシらにはピンと
来ないもんである。ところがこれら4連の中には、他路線では見られない3000番台・3500番台の車両
があって、国鉄近郊型としては末期の117系譲りの2ドア・転換クロスシートというスタイル。下関〜岡
山間の快速「山陽シティーライナー」を中心に活躍している。


段階を経て改良を重ねてきた近郊型の前頭部は、なかなか好印象。今回特にスカート部の収まりが改善され、TNカプラー交換後
もスカートが垂れ下がったりしないが、例によって購入時には密連以外スカスカなのが寂しい。

 これら2ドア車のみで編成する115系4連には、一見同じように見えても2種類ある。まずは純粋な3000
番台のみによる4連で、昭和57年に6編成が新製投入された時からの編成。もう一方は両端のクハのみ
3000番台で、中間電動車ユニットはデビュー当時111系が使用されていたものを、現在は117系から編入
された3500番台となっている編成である。今回MICRO ACEから発売された2種のセットは、まさにこの両者
を製品化したものとなっている。

MICRO ACE 115系3000番台
MICRO ACE 115系3500番台
一見、同じ編成の色違いのように見えるが、もともと系列の違う中間電動車はかなり仕様が異なる

 全般的な作りとしては、丁寧さの度合いは一層増している。同社の国鉄鋼製近郊型としては、初期の
113系や421系などと較べれば雲泥の差がある。それはディテールもあるが、むしろ先頭車フロント部の
印象把握やプロポーションなど、全体イメージの向上によるところが大きいと思える。
 塗装やレタリングは細かく丁寧。例えばTOMIX製でも415系や115系で塗装の手際が良くないと言われた
正面に回りこむ帯が、実にくっきりと美しく入っている。広島快速色の細く微妙な帯もまずまず。特に屋根
上のメリハリの効いた塗り分けが効果的で、屋根の濃いグレーとパーツ類の明るいグレーが好印象であ
る。クハ前頭部の印象もますます良くなったが、例によってスカートの中は密連以外何もなくスカスカ
で、イヤでもTNカプラーに交換しないと落ち着かないのは困ったものだ。
 なお今回、サイドから見える台車の通電用金具が黒染めとなっておらず、えらく目立ってしまっているの
も減点である。


<問題は残すが、設計上の進歩が見られる車高問題>

最初にお見せしておこう。今回もクハの先頭側のみ高い等、車高に若干の問題はある(本文参照)が、クハについてはライトユニット
との干渉が主な原因。この写真はライトユニットを外してみたもので、これでフロントリフト状態は消えて水平に。TNカプラーを組込ん
でいるが干渉も見られない。こうしてみると十分に適正な車高で、TOMIX製113〜115系にも近い。

 当サイトでワシが再三指摘して来た車高の乱れ、或いは床板周りパーツの合いの悪さといった症状は、
今回未だ問題を残しながらも、かなり払拭されている。少なくともこの点において「改善したい」意思は感じ
られ、これまでMICRO ACEが発売してきた国鉄鋼製近郊型の中では最良と言える。以下、要点をま
とめてみると・・・

1. 編成の各部分で車高が上下している症状→○基本的にクリア
何故「基本的に」かといえば、今回も台車の通電用コイルバネが強すぎて一部微妙に上がっていたり、傾いていたりと、完璧とは
言えないため。
2. 動力車のみ車高が上がってしまっている症状→◎クリア
もちろん基本的な動力機構は変わっていないが、今回は台車の付け根から見えているMICRO ACE独特の通電金具がほとんど見
えない位置まで車体が被さって、腰高感は全くない。
3. 先頭車で運転台側の車高が上がってしまっている症状→×依然としてやや高い
MICRO ACE独特のこの症状は、「微妙」という程度になったが続いている。多くはライトユニットや窓ガラスと床板の干渉で、今回も
ライトユニットを外してみたらきちんと適正な車高になる。部分的な削りで対策可能と思われ、これは追ってレポートしたい。
4. 先頭車運転台側にTNカプラーを組込むと更に車高が上がってしまう症状→◎クリア
213系で初めてクリアされていたこの問題、近郊型鋼製車でクリアされているのは初めてである。以前はこの問題が上記3の症状
と複合していたので大変だった・・・
5. 全体に設計上の車高が高めという状態→◎クリア
今回、例えばクハのライトユニットを外し、更に台車の通電用コイルバネを抜いて・・・と、上記の問題要素を取り除いて仮組みしてみ
ると、実にTOMIX製近郊型並みに低い車高なのが判る。設計上十分に低い事と、床板周りのパーツ整合にもタイト過ぎて干渉しな
いよう、寸法的余裕が見込まれたものと思う。

 以上の通りで、先頭車問題以外はほぼ全般的にクリアされている。特に、動力車が高い症状は初心
者ならずとも容易には調整し難い問題であったから、まずは前進したと言えるだろう。ただし、他社のレベ
ルから見れば、アタリマエの水準に近づいたという事に過ぎないのだが。


<車種構成> ※いずれも8両セットのうち4両(動力車付き編成)の写真
115系3000番台(広島快速色)
クハ115-3000
▲若干だが、相変わらず運転台側が僅かに高いのが判る
モハ114-3000
▲適正な車高。2バンタが3000番台の特徴でもある
モハ115-3000
▲MICRO ACE製品の国鉄型鋼製近郊型電車としては、ほとんど初めて(?!)適正な車高となった動力車
クハ115-3100
▲これも運転台側が上がり気味なのが判る

115系3500番台(瀬戸内色) ※上の3000番台とは反対サイド
クハ115-3100
▲フロントリフトに加え、バネで若干傾いている。セット名は3500番台だが、クハは当然3000番台
モハ115-3500
▲こちらの動力車も見事に車高が合わせられている。もと117系で、台車や屋根上は全く違う
モハ114-3500
▲これも車高は完璧。3500番台のユニットサッシはきちんと作り分けられ、上部には実車同様にRがある
クハ115-3000
▲見ての通り、フロントリフトの症状・・・

<TN組込みと先頭車の連結>

上で述べてきたように、今回TNを組込んでも床板周りや車体と干渉は全く無く、床板先端はきちんと車
体に収まる。ところが、TN化後に連結するには幌が干渉するため、一方は外さねばならない。

 先頭車スカート部のTNの収まりが全く問題ない事は述べた。それは大変結構なのだが、なんとクハ同
士を連結しようとすると、幌が当たって連結できない。幌が突出し過ぎなのか、TNが引っ込みすぎなの
かは微妙だが、とりあえず片方の幌を外せば大丈夫だった。


<なんで8両セットなの?>
 ところで、今回最も不満なのは製品そのものではなく、売り方のほうである。なんで、両セットとも8両
セットなのだろうか? そもそも、代表列車である「山陽シティーライナー」は日中基本的に4連で、山陽線で
8両を組むのは朝夕ラッシュ時の短い時間帯だけ。しかも同一塗色車による8連となると・・・というワケであ
る。何故、4両セットにしてくれないのだろうか? 今回、同一地区で活躍するほぼ同一用途の車両なのだ
から、4両セットの方が当然買いやすい。8両セットなら「広島快速色+瀬戸内色」という内容の方が
歓迎されたのではなかろうか。
 なにぶん、同社の製品は再生産される確立としては絶望的に低い(・・・と、少なくとも考えられている)。と
なると、是非買っておきたいヒトには、同時に出るバージョンが多いほど財政的に困ってしまうのが本音。
特に今回、両セット共に高価な8両とする必然性が、全く理解できない。実際、それぞれのセットを友人と
一つずつ共同購入し、中身を半分ずつ交換するというのが今回流行った(!?)ようである。こういう売り
方では、中途半端な興味のヒトには手が出し難く、なかなかさばけない可能性もある。


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MICROACE 117系100番台 新快速  2003.10.22

バラつきのない車高・シンプルなボディーの映える出来栄え

KATOが0番台を製品化して久しい117系。完成品として100番台が製品化されるなど、誰が想像しただろう…
<評価>
全般          ★★★☆
ディテール       ★★★
プロポーション    ★★★☆
塗装          ★★★☆
構成          ★★★
走行性         ★★★
コストパフォーマンス ★★★

 今回のMICRO ACEによる117系のラインナップは、100番台による新快速時代6連と、0番台による目
新しい和歌山色4連という陣容。117系なら京阪神間の新快速時代は外せない…とすれば、こちらは昔か
らKATOが出している0番台でなく100番台でいこう。新しい和歌山色は実車どおりに0番台で作ればいい…
といった設定意図が伺えるし、それはなかなか当たっていると思う。

 117系は国鉄時代末期の電車。度重なる値上げで私鉄にシェアを奪われていた京阪神間で、老朽化し
た153系で運用されていた新快速を一気に新車に置き換え、シェア奪還を図るために新造された特別な電
車である。そのため当時は近郊型・急行型といった当時の規格から逸脱する特定地域の車両で、現在で
もJR東海・西日本しか保有していない。ところが実質的に、転換クロスシートを装備する「快速向け」カ
テゴリーとしては221・223系や311系、811系などのルーツであり、この車両抜きにはその後の快適
化・高速化されたJR快速電車網の発展は語れない存在だ。117系をベースに無理やり特急型とした185系
を継承したJR東日本にだけ、未だこの「快速型」的思想が伝播していない…

100番台の側面
何と言っても、スッキリとした一段下降式窓が特徴の100番台。転換クロスシートの白い枕カバ
ーは簡単な表現だが、なかなか効果的に見える。

 さて、117系の中でも100番台の特徴は、スッキリとした一段下降式窓とボルスタレス台車の採用であ
る。キハ66・67などの影響を受けた「田の字」窓に、特急型485系等と同じDT32系台車という0番台のフォー
マットも特徴的だが、100番台登場時点、既に205系や211系も登場しており、トーゼンのようなボルスタレ
ス台車や一段下降窓の採用は、ホントの国鉄末期を感じさせる。このモデルはそうしたプロトタイプの好印
象をよく再現していて、シンプルな窓周りや塗装の質感はもはや手馴れた印象である。

 MICRO ACEの編成モノでは何度となく苦言を呈してきた車高不揃いの問題は、この製品に関しては
ほぼクリアされている。ワシの購入したセットでは片側の先頭車(クハ117)の運転台側のみ、ほんの少々
車高が上がり気味だが、これまでのレベルからすれば気になるほどではない。ようやくこの注意点に関し
て、ほぼ管理が行き届いた製品だと言えるだろう。ただし同社製品のこの問題は、これまで「治ったか」と
期待しても何度となくぶり返しているから、今後も気を抜かずに見ていきたい。

<全車のサイドビュー>
クハ117-101
運転台側の車高が上がっている現象は、ほぼクリアされている。先頭台車のスノープラウが効いている

モハ117-101
モハ117のオリジナルはこの片側パンタ。ボルスタレス台車とシンプルな車体の組み合わせはいい…

モハ116-101
今回、設計通りの車高にすべく組立て時まで管理されたものと思われ、ほぼ各車バラつきはない

モハ117-102
動力車。当然の事だが見事に車高が揃った。この102号は草津線の霜取り用にパンタを増設している

モハ116-102
モハ116の2両は同一仕様

クハ116-101
トイレ付きの先頭車。0番台ではトイレ部分にあった行先表示窓が、客室部分に移された

 車高にバラつきはなくなったものの、ボルスタレス台車の枕バネ部分と車体との隙間は目立つ。で、
般にもう少し車高が低ければなぁ…とは思うものの、こうして編成全体を見渡してみると、やはり車
高がほぼ「ピタリと合っている」のは本当に気持ちいいものである。いつもこれがトーゼンであって
欲しいと願うばかりだ。
 どうせ100番台として製品化するのだから、こだわりを見せたいというところなのか、片方のモハ117は草
津線用の霜取りパンタを増設した2パンタ仕様とし、この車を含む実在した編成のナンバリングとしてい
る。このあたり、如何にもMICRO ACEらしいポイントなのだが、特に地元ファンには嬉しい事だろう。
 例によって各ディテールパーツは全て取り付け済み。屋根上は列車無線アンテナやクーラー本体が明確
に屋根と違うグレーに色分けされており、まずまずの印象。パンタは例によって壊れやすい上にバネが
強く困ったものだが、慣れないヒトは間接部をゆっくり押さえるようにして上昇させるのが良い。ところで、
シューが特殊である。実車はフツーのPS16じゃなかったのか? 調査中。

<KATO製0番台と並べてみる>

KATO製クハ116-0番台(左)とMICRO ACE製クハ116-100番台(右)。KATO製品の再生産も比較的最近だったので、未だ市場に在
庫がある状態。古い設計で廉価でもあるが、出来栄えとしては今日的にもシャープな印象だ。プロトタイプの違いもあり共存可能だ
ろう。ワシも両方所有。先頭部スカートの形状には双方とも不満あり。常に両者とも市場にあるとは言えないのが辛いところだが、
現時点では双方とも十分に入手可能(2003.10.22現在)。

KATO

MICRO ACE

 ところで、その他気になる点である。先頭車のスカート形状がかなり不満だ。実車は両脇までもっとオ
ープンになっていて、内部はジャンパ栓等が割とギッシリな印象。対してこのモデルではスカート両脇部の
カーブ部分にジャンパ栓がモールドされていて、もちろんそこまでグレーに塗られているから、スカートがオ
ープンになっている印象がない。逆に中央部分は密連がある以外はスカスカで、こういう手抜きは213系な
どでも横行している。213系などは、気になるヒトはTNを組込めば改善されたが、この117系では組込んで
も印象が相当違う。前面の印象に大きく影響するから、ダミーのカプラー周辺もきちんと造り込んで
欲しいものだ
 また、動力車の室内はまっ平らなユニット上部が見えるだけ。ワシは動力車の室内にうるさい方では
ないが、せっかく窓下にユニットを収めたのなら、シートの背もたれに見えるパーツを入れて欲しいもの
だ。


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