Model Impression

KATO  EF58 試験塗装機 4両セット   2005.12.16
手堅くまとめたメモリアルセット

東海道線全線電化に備えた試験塗装機4両のセット

評 価
全般 ★★★★
ディテール ★★★★
プロポーション ★★★★★
塗装 ★★★☆
構成 ★★★★
走行性 ★★★★
コストパフォーマンス ★★★☆

KATOのEF58といえば定番商品の王道という感じもあるが、常に欲しいバージョンがいつも店頭にある・・・とまでの製品ではなく、KATOが新しいバージョンを発売するたびに、皆がどっと買わされる感じがある。ある意味、製品としての安定感としては頂点に近い商品であるがために、これは仕方がない事かも知れないが。


グリーンの濃淡で有名な4号機。全体の良く出来た雰囲気の中で、目立つ色だけに乗務員用梯子だけが太すぎるのが目立つ。

今回は「Nゲージ誕生40周年記念」と称したメモリアルセットで、なんとEF58ばかりを4両もセットした異例の商品。東海道全線電化を控えた昭和30年頃に登場した4両の塗装試験機を再現したもので、KATOのEF58としてはお召し機の60・61号機以外、初の特定ナンバー機の製品化でもある。
デッキ付き旧車体仕様を除けば、Nゲージでこんなに古い時期のEF58が製品化されるのは初めての事で、象徴的なのは先台車フロントの握り棒やステップが無く、シンプルな排障器が付いている事だろう。
これら4両で最も有名なのはグリーンの濃淡に塗られた4号機で、セットのうちこれだけが前面小窓。かの青大将塗色は基本的にこれをベースにしているらしいのであるが、同時にこの機はこの塗色では青大将客車を牽引した履歴はないと聞いた事がある。


4両の中では最も地味な印象の31号機だが、わざわざオレンジ色にモールドされた専用のパンタ台枠を使っている。

他の3両はいずれもブルーを基調とした前面大窓機だが、16・31号機は前面窓上部に水切り取り付け準備工事のリベットが並び、18号機は前面窓の下端にRが付くという変形機となっている。というように、この4両はモチロン同じ金型の塗装違いなどではなく、こうした細部の金型をこまめに作り分けて再現しているのが特徴という商品なのだ。
特定ナンバーのディテールを再現したという事もあり、当然の事ながら今回、ナンバー類はユーザー取付けでなく当初からモールドされている。実物が先述の通りシンプルな外観の時代という事もあり、ユーザー取付けのパーツは今回ホイッスルだけというのも有難い話だ。
例によってフライホイール付きの動力機構は快調で、塗装も概ね丁寧な仕上がり。レタリングやメーカーズプレートの標記なども良好。グレーにモールドされた足回りとボディとの一体感も素晴らしい、プロポーションも最高に見える仕上がりだ。


一見同じ塗色に見える16・18号機。黄色のラインの太さと、その前面中央部の塗り分けが違っている。18号機(左)は、前面窓下端
にRの付いた変形機。

今回、流通量もそこそこに多く確保されている模様で、財布に余裕のある方は手元に置いておいて損はない製品だろう。
蛇足ながら、KATOのEF58は基本的に快調な走行性の商品なのだが、意外に個体差はある。4両ものEF58を一度に試してみると、いずれも快調ながら走行音は微妙にいろいろで、こうしたところにこだわる御仁がお買い上げになるには、なかなか模型店泣かせの商品でもある。

KATO EF58試験塗装機4両セット 2005.12.13発売





KATO  EF65-1000番台 初期型 JR貨物色   2004.3.22


EF65-1000番台初期バージョンにJR貨物色が追加された。

評 価
全般 ★★★☆
ディテール ★★★★
プロポーション ★★★
塗装 ★★★☆
構成 ★★★★
走行性 ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★★



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KATO  EF65-1000番台 初期型  2004.1.12

ただの追加バージョンでない存在感あり

意外にも出ていなかったEF65-1000番台初期のノーマルバージョン。欲しかったファンは多いはず

評 価
全般 ★★★★
ディテール ★★★★
プロポーション ★★★
塗装 ★★★★
構成 ★★★★★
走行性 ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★★
<製品全般>
 待望の初期型PF。なかなか製品化されなかった地味ネタでもある。地味な印象を払拭する目的ではなかろうが、KATOのEF65シリーズ初の新機軸も盛り込まれている。今回、KATOから登場したのはヒサシ付きバージョン。ヒサシはPF型初期タイプの無表情さを救う唯一のアイテムでもある。

 まず一見して判る進歩は別パーツ化された前面の手摺り。EH10に続く採用だが、メジャーどころのEF65だけに印象深い装備である。強度は充分確保しながら太過ぎる印象もなく、取り付けも容易。なお、ランナーのバリは取付け後に除去すればキレイに仕上がる。微妙な曲がりも取付け後に調整した方が美しい。


サイドビュー。やはり、手摺り別パーツ化の効果は大きい。それにしても、電機用KATOカプラーは突出し過ぎ
ではないだろうか? そろそろメーカーズプレートも欲しい・・・

 その前面だが、製品化されて久しいPFの後期型とは異なり、クリーム色の部分も別パーツでない完全な一体整形ボディーとなった。一般型や500番台同様に、塗装は前面〜側面のクリーム色部分でマスクして塗り分けている。パーツ分けによる妙なライン/隙間も生じないので、塗装さえ美しければ歓迎。後期型で別パーツにしていた理由は塗り分けの手間を省く事以外ないだろうが、もはや塗装の手際上、その省力化の技術も進んだという事か。

トップの写真と反対側のエンド。一体ボディーのため前面のクリームは塗り分けとなったが、そのマスキングに不満はない。こち
ら側に付く別パーツのジャンパ栓は実に効果的。未だにグレーの入らないモニターのHゴムや、ガラスの無い側窓などは、そろ
そろ手を加えて欲しいところ。

 屋根上機器を含め、今回もユーザー取付けのパーツが夥しいが、今回改善されたのが信号炎管。指で摘める程度の取っ手と共にモールドされており、ピンセットなどで掴まなくとも屋根に差し込む事が出来る。差し込んだ後は取っ手部分を捩るようにもぎ取り、カッターの先などでキレイにすればOK。片方の車体エンドに付く別パーツのジャンパ栓も、なんとも実感的なパーツである。

 相変わらず絹のように滑らかな走行に加え、与えられた新機軸を考えれば大きな不満はない製品だが、によって、屋根は青一色でモニター窓にはHゴムのグレーも入らず、側面の窓にもガラスはなく、メーカーズプレートもない。ワシ的に何度も問題にしているプロポーションはそう簡単に改善できないだろうが、KATO製EF65全般の基本フォーマットも、徐々に進化させて欲しいものである。

<初期型PF唯一の前例、KATOのレインボー指定機>

KATOとして、1000番台初期型のラインナップは初めてではない。フライホイール化以後の「スーパーエクスプ
レスレインボー」専用機(右)は、ちゃんと初期型モールドになっていた。

 地味でありふれた存在の65PF初期型。東海道のブルトレ牽引で脚光を浴びた後期型が各社から製品化後も、永らく製品に恵まれなかった。しかし今回、厳密に言うと初の製品化ではない。以前、同じくKATOがレインボー専用機の1019号機を製品化している。これは単なる後期型の型を使った塗り替え商品ではなく、きちんと前面に通風孔のある初期型のボディーとなっていたのだが、何故かこの時、通常塗装の製品はラインナップされなかった。通常製品のPF後期型では、前部のクリーム色部分が別パーツはめ込みで塗り分け不要だったのに対し、1019号機のボディーは完全な一体ボディーになっていたから、当時は塗り分ける工程を嫌ったのかも知れない。ともあれ普通塗装のモデルとしては、今回初めて製品化された事になる。


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KATO  EF58特急色   2004.1.19

価値充分の定番商品。もっと流通を!

初期型小窓の車体も初めてだが、電源車制御用のジャンパ栓など意外に細かい考証も効いている。

評 価
全般 ★★★★
ディテール ★★★☆
プロポーション ★★★★★
塗装 ★★★
構成 ★★★☆
走行性 ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★★
<製品全般>
 KATOのEF58に加わった、久々の追加バージョン。ほぼ同時に発売された同社の20系登場時バージョンに合わせてのラインナップだ。昭和33年登場時の20系ブルトレというのは、非電化区間ではC62など蒸機も牽引していた頃だが、青大将も存在するその時代、最もスター的なEF58という事か。言わば初代ブルトレ専用機として、昭和38年にEF60の500番台が登場するまで活躍したバージョンである。
 この製品、初期型小窓としても同社初めてだが、ブルトレ牽引用の装備として、先台車前端ばりに電源車制御用のジャンパ栓もモールドしている。裾周りクリームのブルトレ色ボディーだけでなく、時代的な特徴として足回りのグレーが印象的。


素晴らしいプロポーションが映えるブルートレイン色。足回りグレーのカラーリングが昭和30年代を感じさせる。

 もちろん青大将に続いてクイックヘッドマーク機構も採用。それ以外に新機軸は見られない。相変わらず屋根周りも比較的あっさりしているが、やはり定番商品。バージョン追加ごとに飛ぶように売れてしまうのは、走らせて見れば納得がいく。その絹のような味わいを感じるだけで、その価格を出費する価値は充分に感じてしまうのだった。
 ところが、これまた青大将に続いて、市場流通の数が少なすぎる。20系セットと同数の生産とも思えないが、言うまでもなく、この機関車だけ欲しいというファンも多いはず。様子を見ての追加生産なども含め、もう少し考えて発売して欲しいものだ。メーカーとして、いきなりプレミアモデル入りを目論んでいるワケでもあるまい

 欲を言えば、同社定番商品の中では、走行性には個体差が感じられるほうである。「調子が悪い」と思うほどの個体にはまず出会う事がないものの、購入時には、出来れば複数を走らせた中から選ぶことが出来ればベター。


<ワシ的ココロ>
 Nの世界では、言わずと知れたプレステージな存在のKATO製EF58。対するTOMIXの現行EF58は、形態的には良い点もあるものの、スプリングウォームを温存する散々な走行性で、トータルな商品力では数段下と言わざるを得ない。
 EF58という電気機関車は、戦後鉄道趣味の中でも、もはや「一つのジャンル」だ。この機関車の歴史こそが、戦後国鉄の歴史そのものであると同時に、驚くことにそれは戦後混乱期から'80年代のブルトレブームにまで繋がっている。誰の記憶にもあるそのカタチと共に、EF65登場以後も現場の根強い支持を受け続けた旅客列車専用機としての高速性能も、人気を支える強力なエピソードとなっているのだろう。

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KATO  EH10   2003.4.11


スカートは車体マウントに。KATOカプラーへの交換も、分解せず正面から抜き差しできる
<評価>
全般          ★★★★
ディテール       ★★★★
プロポーション    ★★★★
塗装          ★★★
構成          ★★★☆
走行性         ★★★★
コストパフォーマンス ★★★☆

 当サイトの稚拙な写真では判り難いだろうが、KATO久々のEH10はやはり素晴らしい仕上がり。旧製品が発売されたのは1981年の事で、ワシはそのロットも保有しているが遠く実家にあるために手元で比較できなかった。
 今回製品では動力ユニットがフライホイール付きに一新され、更に連結機構もEH500同様若干の伸縮機構付きとなった。更に外観上では晴れてスカートが車体マウントに改善され、添付された機関車用KATOカプラーへの交換はカプラー本体を正面から抜き差し出来る最新の方式になった。台車は明らかに新規製作で、車輪はスポークとなり繊細で良い雰囲気だ。
 ボディー本体は、ベースに旧製品の金型が活かされているのか否かは不明だが、いずれにしてもシャープな印象。メーカーズプレートの追加や屋根上パーツのユーザー取付けによる別パーツ化に加え、今回最も特筆出来るのは前面両脇の手摺りも別パーツ化した事であろう。旧製品では皆無だったレタリング標記も、運転台脇のみだがなかなか細かく入っている。特異な真っ黒な塗装は黄色のラインがポイントで、コーナー部のライン継ぎ目が若干気になるが基本的にはくっきりと入っている。

 走りも実に滑らかで静粛なものだった。牽引力がスポイルされがちなのが、フライホイール付きの機関車の常だが、それは重量的にどうしてもベストにならない為だ。EH500同様、1個モーターで両車体の8軸を駆動する場合は効率よくフライホイールを入れる事が出来る。
 また、旧製品もそうだったがプロポーションの把握は完璧である。ボディー下端ギリギリの台車クリアランスも好感を持てるし、今回ボディーマウントとなったスカートはカプラーポケット部分が極小で、実車通りに前部台車はギリギリの位置に付いているのが、たまらなく良い。


オーバーハングのほとんどない台車位置と、奥行きの少さなスカート…実車のプロポーションは完璧に再現。手摺りも効果的

 これといって欠点を挙げることが難しいが、敢えて言えばユーザー取付け部品について。本当はナンバーひとつ取っても、エンドユーザーの本音は自分で付けたいと思わないヒトが多いと思う。KATOが国内自社工場での生産としながらコストダウンを図っている事は頭が下がる思いで、細かいパーツはこれまでワシとしてもユーザー取付けにして当然と思っていた。しかし他方、中国などで生産する他社製品でこれらのパーツが取り付け済みとなっていたり、更にはかなり細部への色入れまで行われている。品質が悪い時代には単にアリガタ迷惑でしかなかったが、昨今のようにパーツ自体と作業工程双方のクオリティーが上がってくると、それはウェルカムだ。
 となると、国内生産品ではコスト上厳しい話だが、特に、プレート類以外の、選択の余地がない部品は元から付いていて欲しいところ。このEH10でいえば、屋根上の発炎筒やホイッスルなどは極小パーツでハメコミもきつく、初心者や40代以降の視力低下組はピンセットで掴んだ瞬間に飛ばしてしまう率が高くなる。出来れば取り付け済みの方が有難いのである。

 またNゲージの場合、手摺りを別パーツ化する事は永年避けられてきた。そういう意味で一石を投じたのは先般のMICRO ACE製DD50であり、中国製ながら適度な線の太さで実に手際よく取り付けられていた。KATO製としてはこのEH10の前面両脇に付いた手摺りが初めて。基本的に問題ないがランナーが中央に付いており、取り付け後キレイにバリ取りせねばならない事と、取り付け時にここを持って押し込んでしまうと力が入らないばかりか、中央が「M」型に曲がってしまうので注意。


牽かせるのはやっぱこういう貨車でしょ(^^)




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